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胃薬
胃薬

胃の働きに異常が生じると、胃液の分泌量の増減や食道への逆流が起こったり、胃液による消化作用から胃自体を保護する働きや胃の運動が低下して、胸やけや胃不快感・消化不良・胃もたれ・食欲不振等の症状が現れます。また、胃自体に異常がなくても食べすぎ飲みすぎ時にも、胃内容物に対しての処理する働きが追い付かずに、腹部に不調を感じることもあります。

そうした胃の不調を予防・改善する医薬品が胃薬です。

吐き気について

吐き気や嘔吐は、延髄にある嘔吐中枢の働きによって起こります。嘔吐中枢が刺激される経路はいくつかありますが、消化管での刺激が副交感神経系を通じて嘔吐中枢を刺激する経路もあり、胃の痙攣等により吐き気が起こる場合もあります。

制酸薬

胃薬には、大きく分けて3つの種類別があります。そのうちの1つ制酸薬は、胃液の分泌亢進による胃酸過多・胸やけ・腹部の不快感・吐き気等の症状を緩和することを目的とした医薬品です。配合成分としては、胃酸の働きを弱めるもの、胃液の分泌を抑えるものなどが用いられます。

健胃薬

健胃薬は、弱った胃の働きを高めることを目的とした医薬品です。配合される生薬は、独特の味や香りを有し、唾液や胃液の分泌を促して胃の働きを活発にする作用があるとされています。

消化薬

消化薬は、炭水化物・脂質・蛋白質等の分解に働く酵素を補うことにより、胃や腸の内容物の消化を助けることを目的とした医薬品です。

総合胃腸薬

総合胃腸薬は、制酸薬・健胃薬・消化薬以外にも、様々な胃腸の症状に幅広く対応できるよう、制酸・胃粘膜保護・健胃・消化・整腸・鎮痛鎮痙・消泡等、それぞれに作用する成分を組み合わせた医薬品のことです。胸やけや消化不良など原因がハッキリしている場合には不向きです。

胃薬の飲み方

胃薬は、基本的に一時的な胃の不調に伴う諸症状を緩和する目的で使用されるものであり、慢性的な胸やけや胃部不快感・胃部膨張感の症状が現れる場合は、胃の一部が横隔膜の上に飛び出して、胃液が食道を逆流しやすくなる食道裂孔ヘルニア・胃十二指腸潰瘍・胃ポリープ等を生じている可能性も考えられますので、早めに医療機関への受診を受けるようにしましょう。

制酸薬は、胃内容物の刺激によって促進される胃液分泌から、胃粘膜を保護することが目的で、食前または食間に服用するとなっているものが多いですが、暴飲暴食の予防にはなりませんので、腹八分目を心がけましょう。

胃薬の配合成分

成分の種類 効能・効果 成分名
制酸成分 胃酸の働きを弱める 乾燥水酸化アルミニウムゲル・ジヒドロキシアルミニウムモノアセテート・ケイ酸マグネシム・酸化マグネシウム・炭酸マグネシウム・合成ヒドロタルサイト・メタケイ酸アルミン酸マグネシウム・沈降炭酸カルシウム・リン酸水素カルシウム・生薬のウゾッコツ・セキケツメイ・ボレイ等
胃液分泌抑制成分 胃液分泌抑制 ロートエキス・塩酸ピレンゼピン
健胃成分 唾液や胃液の分泌 オウバク・オウレン・センブリ・ゲンチアナ・リュウタン・ケイヒ・コウボク・ショウキョウ・チョウジ・チンピ・ソウジュツ・ビャクジュツ・ウイキョウ・オウゴン・ユウタン等の生薬・乾燥酵母・塩化カルニチン
消化成分 消化に働く酵素の働きを補う ジアスターゼ・プロザイム・ニューラーゼ・リパーゼ・セルラーゼ・複合酵素のビオジアスターゼ・タカジアスターゼ・胆汁末・動物胆・ウルソデオキシコール酸・デヒドロコール酸
胃粘膜保護、修復成分 胃粘膜保護、修復 アズレンスルホン酸ナトリウム・アルジオキサ・スクラルファート・ケファルラート・ソファルコン・テプレノン・塩酸セトラキサート・銅クロロフィリンカリウム・メチルスルホニウムクロライド・アメガシワ等
抗炎症成分 胃の炎症を抑える グリチルリチン酸ニカリウム・グリチルリチン酸ナトリウム・グリチルリチン酸モノアンモニウム・カンゾウ等
消泡成分 消化管内容物に発生した気泡の分離促進 ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)

使用注意の成分
胃薬の成分 使用を避ける人
アルミニウムを含む制酸成分・アルジオキサ・スクラルファート 透析治療中の人・腎臓病の診断を受けた人
胆汁末・動物胆・ウルソデオキシコール酸・デヒドロコール酸・ソファルコン・テプレノン 肝臓病の診断を受けた人
ウルソデオキシコール酸 妊娠中の人。胎毒性があるため
塩酸セトラキサート 血栓のある人またはおそれのある人
ロートエキス・塩酸ピレンゼピン 前立腺肥大・緑内障の人
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