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眠気に作用する薬
眠気に作用する薬

眠気を促す薬とは?

一般的にはっきりした病気が原因でなくても、日常生活における人間関係のストレスや生活環境の変化等の要因によって、自律神経系のバランスが乱れ、寝つきが悪い・眠りが浅い・イライラ感・緊張感・興奮感・精神不安といった症状が生じることがあります。

眠気を促す薬とは、これらの症状により、疲労倦怠感・寝不足感・頭重等の症状が生じた時に、眠気を促したり、精神の昂ぶりを鎮めるために使用する医薬品です。

眠気について

生体内の刺激伝達物質であるヒスタミンは、脳の下部にある睡眠・覚醒に大きく関与する部位において、神経細胞を刺激して覚醒の維持、調節を行う働きを担っています。

脳内におけるヒスタミンによる刺激の発生が抑えられると眠気を促すことになります。

眠気を促す薬の飲み方

塩酸ジフェンヒドラミン・ブロムワレリル尿素・アリルイソプロピルアセチル尿素は、催眠鎮静薬以外の医薬品にも配合されていることが多く、他の薬と併用すると効き目や副作用が増強されるおそれがあります。

また、医療機関で不眠症・不安症・神経症等の治療を受けている場合は、治療の妨げとなるおそれがありますので、使用を避けましょう。

一般的に寝つきが悪い時に、寝酒としてアルコールを摂取することがありますが、催眠鎮静薬の効き目や副作用が増強されるおそれがあります。

  • 入眠障害:寝ようとしてもなかなか寝つけない
  • 熟眠障害:睡眠時間を十分取ったつもりでも、ぐっすり眠った感じがしない
  • 中途覚醒:何度も目が覚めてしまい、再び寝つきにくい
  • 早朝覚醒:早く目が覚めてしまい、寝つけない

これらの症状が慢性的に続いているような場合は、鬱病等の精神病態や身体疾患に起因する不眠または催眠薬の使いすぎによる不眠の可能性があるため、医療機関での受診が望ましいとされています。

ブロムワレリル尿素等の鎮静成分を多量に摂取した場合においては、高度な専門的判断が要求されます。また薬物依存が生じている場合も医療機関での受診が必要となる病気となります。

眠気を促す薬の配合成分

成分の種類 効能・効果 成分名
抗ヒスタミン成分 眠気を誘う 塩酸ジフェンヒドラミン
鎮静成分 脳の興奮を抑え、感覚を鈍くする ブロムワレリル尿素・アリルイソプロピルアセチル尿素
生薬成分 神経の興奮、緊張を和らげる チョウトウコウ・サンソウニン・カノコソウ・チャボトケイソウ・ホップ等

鬱病においては、時に自殺行動を起こすおそれがあり、ブロムワレリル尿素の大量摂取による急性中毒は、日本における代表的な薬物中毒の1つです。

ブロムワレリル尿素は、胎児障害の可能性もあるため、妊娠中や妊娠していると思われる女性は使用を避けましょう。

眠気を防ぐ薬とは?

睡眠は、健康維持に欠かせないものです。しかし、ある程度の睡眠を取っていても、食事の後や単調な作業が続くときなどは、脳の緊張が低下して眠気やだるさ(倦怠感)を生じることがあります。

眠気を防ぐ薬とは、その主たる有効成分としてカフェイン(無水カフェイン・安息香酸ナトリウムカフェイン等)が配合され、眠気や倦怠感を除去することを目的とする医薬品です。

カフェインとは?

脳に軽い興奮状態を引き起こす作用を示し、眠気や倦怠感を一時的に抑える効果が期待されています。脳が過剰に反応すると、副作用として震え・めまい・不安・不眠・頭痛を生じることがあります。

その他の作用として、腎臓での水分の再吸収を抑制するとともに、膀胱括約筋を弛緩させる働きがあり、尿量を増加させる利尿作用もあります。

胃液の分泌を亢進させる作用もあり、副作用として胃腸障害(食欲不振・悪心・嘔吐)が現れることもあります。胃酸過多や胃潰瘍の方は服用を避ける必要があります。心を興奮させる作用もありますので、心臓病の診断を受けた方も服用を避ける必要があります。

    カフェイン使用上の注意点
  1. カフェインが含まれている医薬品等と、お茶やコーヒーと同時摂取しない
  2. 膀胱括約筋を弛緩させる働きで、利尿作用がある
  3. 反復して摂取すると、習慣になりやすい性質がある
  4. 胃酸過多・胃潰瘍・心臓病の診断を受けた人、妊婦は服用を避ける

乳児は肝臓が未発達であるため、カフェインの代謝に時間がかかります。カフェインの血中濃度が最高血中濃度の半分に要する時間は、通常の成人が約3.5時間であるのに対して、乳児は80時間もかかるというデータがあります。

100g中に含まれるカフェイン量の目安として、
玉露:160mg、煎茶:20mg、ウーロン茶:20mg、紅茶:30mg、コーヒー:60mgというデータもあります。

眠気を防ぐ薬の飲み方

眠気防止薬におけるカフェインの1回摂取量は200mg、1日500mgまでが上限とされています。他の医薬品との同時摂取により、 中枢神経や循環器系等への作用が強く現れるおそれがありますので注意しましょう。

眠気防止薬は、一時的に緊張を要するときに、眠気や倦怠感を除去する目的で服用するもので、疲労回復や睡眠をしなくてよいというものではありません。

十分な睡眠を取っていても、眠気や倦怠感が続くような場合には、神経・心臓・肺・肝臓等の重大な病気を示唆している可能性もあります。

なお、眠気防止薬に 小児向けの製品はありませんので、15歳未満の小児には、絶対に使用しないようにしましょう。

眠気を防ぐ薬の配合成分

成分の種類 効能・効果 成分名
カフェイン 眠気を防ぐ 無水カフェイン・安息香酸ナトリウムカフェイン等
ビタミン成分 眠気による倦怠感を和らげる ビタミンB1・B2・B5・B6・B12・ニコチン酸アミド・アミノエチルスルホン酸(タウリン)等
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