小児では、特段身体的な問題がなく、基本的な欲求が満たされていても、夜泣き・ひきつけ・疳の虫等の症状が現れることがあり、他者との関わり等への不安や興奮から生じる情緒不安定・神経過敏が要因のひとつと言われ、また睡眠のリズムが形成されるまでの発達の一過程とも考えられています。
授乳後にげっぷがでなかったり、泣く際に空気を飲みこんでしまうなどして、消化管に空気が入ることが関係しているとも考えられています。
乳児は食道と胃を隔てている括約筋が未発達で、胃の内容物をしっかり保つことができないため、胃食道逆流が起こりやすく、むずがったり・夜泣き・乳吐き等を起こすことがあります。
小児鎮静薬は、むずがったり・夜泣き・乳吐き等の症状を鎮める以外に、虚弱体質・消化不良等の改善を目的とする医薬品です。
乳幼児は状態が変化しやすく、容体が変化した場合に、自分の体調を伝えるのが難しいので、保護者の方が状態をよく観察し、医薬品の使用の可否を見極めることが大切です。
身体的な問題がなく生じる夜泣き・ひきつけ・疳の虫等の症状については、成長に伴って自然に治まるのが通常です。発達段階の一時的な症状として、保護者が達観することも重要であり、安易に小児鎮静薬に頼り、保護者自身の安眠を優先させるのは適当ではありません。
乳幼児の下痢や発熱は、脱水症状につながるおそれがありますので、早めに医師の診療を受ける必要があります。また、吐き出したものが緑色の胆汁が混ざっていたり、血が混ざっている場合、吐き出すときに咳込んだり、息を詰まらせるような場合も早めに医師の診療を受ける必要があります。
成分の種類 | 成分名 | |
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■ | 鎮静作用 | 動物性生薬のゴオウ・ジャコウ・レイヨウカク・動物胆 |
■ | 健胃作用 | ジンコウ・チョウジ・カンゾウ |
小児の疳は、痩せて血が少ないことから生じると考えられており、鎮静作用のほか、血液の循環を促す作用があるとされる生薬を中心に配合されています。