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鎮咳去痰薬
鎮咳去痰薬

咳を鎮める、痰の切れを良くする、喘息症状を和らげることが目的の医薬品の総称です。

咳を鎮める成分・痰の切れを良くする成分・気管支を拡げる成分・気道の炎症を和らげる成分等を組み合わせて配合されています。

錠剤・カプセル型・顆粒型・散剤・内服液剤・シロップ剤等のほか、口腔咽喉薬の目的を兼ねたトローチ剤やドロップ剤等の種類があります。

咳を鎮める、痰がでる仕組み

気道に吸いこまれた埃や塵等の異物が気道粘膜の線毛運動によって排出されないとき、飲食物が誤って気管に入ってしまったとき、冷たい空気や刺激性のある蒸気などを吸いこんだときなど、それらを排除しようと咳がでます。

このように咳は、気管や気管支に何らかの異変が起きたときに、その刺激が中枢神経系に伝わり、延髄にある咳嗽(がいそう)中枢の働きによって引き起こされる反応です。

痰は、呼吸器官に感染を起こしたときや、空気が汚れた環境で過ごしたり、タバコを吸いすぎたときなどに、気道粘膜からの粘液分泌が増えるが、その粘液に気道に入り込んだ異物や粘膜上皮細胞の残骸などが混じって痰になります。

鎮咳去痰薬の飲み方

一般医薬品の鎮咳去痰薬は、複数の有効成分が配合されている場合が多く、他の鎮咳去痰薬・かぜ薬・抗ヒスタミン成分・アドレナリン作動成分を含有する医薬品などと併用した場合、同じ成分の重複摂取となり、効き目が強すぎたり、副作用が起こりやすくなるおそれがあります。

鎮咳去痰薬には、解熱成分が配合されていませんので、発熱がある場合は効果を期待できません。

咳がひどく痰に線状の血が混じる、黄色や緑色の膿性の痰を伴うような場合は、早めに医療機関を受診することが望ましいです。痰を伴わない乾いた咳が続く場合は、間質性肺炎等の初期症状である可能性があり、その原因が医薬品の副作用によるときもあります。

咳や痰が、息切れ等の症状が長期間に渡っている場合には、慢性気管支炎や肺気腫などの慢性閉塞肺疾患(COPD)の可能性があります。喫煙がCOPDのリスクのひとつとされています。

鎮咳去痰薬の配合成分

成分の種類 効能・効果 成分名
麻薬性中枢性鎮咳成分 咳を抑える リン酸コデイン・リン酸ジヒドロコデイン
非麻薬性中枢性鎮咳成分 咳を抑える ノスカピン・臭化水素酸デキストロメトルファン・ヒベンズ酸チペピジン・リン酸ジメモルファン・塩酸クロペラスチン等
アドレナリン作動成分 気管支拡張 塩酸メチルエフェドリン・メチルエフェドリンサッカリン塩・塩酸トリメトキノール・塩酸メトキシフェナミン・生薬のマオウ等
キサンチン系成分 気管支平滑筋に直接作用 ジプロフィリン等
去痰成分 気道粘膜からの分泌促進 グアイフェネシン・塩酸ブロムヘキシン・グアヤコールスルホン酸カリウム等
去痰成分 痰の中の粘膜蛋白質に作用して粘性低下 塩酸エチルシステイン・塩酸メチルシステイン・カルボシステイン等
抗炎症成分 炎症を和らげる 塩化リゾチーム・トラネキサム酸・グリチルリチン酸ニカリウム・生薬のカンゾウ等
抗ヒスタミン成分 鎮咳成分・アドレナリン作動成分・キサンチン系成分の補助作用 マレイン酸クロルフェニラミン・フマル酸クレマスチン・マレイン酸カルビノキサミン等
殺菌消毒成分 殺菌消毒 塩化セチルピリジニウム等
生薬成分 咳を抑え、痰の切れをよくする キョウニン・ナンテンツジ・ゴミシ・シャゼンソウ・オウヒ・セキサン・キキョウ・バクモンドウ・セネガ・オンジ等

リン酸コデイン・リン酸ジヒドロコデインは、モルヒネと同じ基本構造を持ち、依存性があるため麻薬性鎮咳成分と呼ばれています。

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