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人の体>消化器系その2
消化器系その2

膵臓について

胃の後下部に位置する細長い臓器で、膵液を十二指腸へ分泌する役割があります。

膵液は弱アルカリ性で、胃で酸性となった内容物を中和します。膵液には、トリプシノーゲン・デンプンを分解するアミロプシン(膵液アミラーゼ)・脂質を分解するリパーゼ等、多くの消化酵素を含んでいます。

また膵臓は、血糖値を調節するホルモン(インスリン・グルカゴン)等を血液中に分泌する内分泌腺の役割もあります。

胆のうについて

胆のうは、肝臓で産生された胆汁を濃縮して蓄える器官で、十二指腸に食べ物が入ってくると収縮して腸管内に胆汁を送りこみます。

胆汁に含まれる胆汁酸塩(コール酸・デオキシコール酸等の塩類)は、脂質の消化を容易にし、脂溶性ビタミンの吸収を助けます。腸内に放出された胆汁酸塩の大部分は、小腸で再吸収されて肝臓に戻されます。

胆汁には、古くなった赤血球や過剰なコレステロール等を排出する役割もあります。胆汁に含まれるビリルビン(胆汁色素)は、赤血球のヘモグロビンが分解されて生じた老廃物です。腸管内に排出されたビリルビンは、 腸管内に生息する常在細菌(腸内細菌)によって代謝されて、糞便を茶褐色にする色素となります。

肝臓について

肝臓は、体内で最も大きい臓器であり、横隔膜の直下に位置します。胆汁の産生・栄養分の代謝と貯蔵・有害物質の無毒化と代謝の働きがあります。

■栄養分の代謝と貯蔵

小腸で吸収されたブドウ糖は、血液によって肝臓に運ばれてグリコーゲンとして蓄えられます。 グリコーゲンは、ブドウ糖が重合してできた高分子多糖で、血糖値が下がったときなど、必要に応じてブドウ糖に分解されて血液中に放出されます。

皮下組織等に蓄えられた脂質も、1度肝臓に運ばれてからエネルギー源として利用可能な形に代謝されます。また肝臓は、脂溶性のビタミンA・D等ほか、B6・B12等の水溶性ビタミンの貯蔵臓器でもあります。

消化管等から吸収されたり、体内で生成された有害な物質を肝細胞内の酵素系の働きで代謝して無毒化します。

医薬品やアルコールも肝臓で代謝されます。アルコールの場合は、胃や小腸で吸収されますが、肝臓へと運ばれて1度アセトアルデヒドで代謝されたのち、さらに代謝されて酢酸となります。アンモニアも肝臓にて尿素へと代謝されます。

ヘモグロビンが分解して生じたビリルビンも肝臓で代謝されますが、肝機能障害や胆管閉塞などを起こすとビリルビンが循環血液中に滞留して、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる症状)がでます。

■生体物質の産生

胆汁酸やホルモンなどの生合成の出発物質となるコレステロール・フィブリノゲン等の血液凝固因子・アルブミン等、生命維持に必要な役割を果たす種々の生体物質は肝臓において産生されます。

大腸について

盲腸・虫垂・上行結腸・下行結腸・横行結腸・S状結腸・直腸からなる管状の臓器で、内壁粘膜に絨毛がないのが小腸との違いです。

大腸では、水分・ナトリウム・カリウム・リン酸等の分解質の吸収が行われ、固形状の糞便が形成されます。大腸では消化はほとんど行われません。

大腸内には、多くの腸内細菌が存在し、腸管内の食物繊維を発酵分解します。大腸の細菌は血液凝固や骨へのカルシウム定着に必要なビタミンK等の物質も産生します。

腸内細菌による発酵により、糞便の臭気のもととなるメタン・二酸化炭素等のガスが生成されます。

糞便の成分の大半は、水分で、その他にはがれ落ちた腸壁上皮細胞の残骸が15~20%・腸内細菌の死骸が10~15%で、食べ物の残滓は約5%しか残っていません。

肛門について

肛門周囲は肛門括約筋で囲まれていて、排便を意識的に調節することができます。また、静脈が細かい網目状に通っていて、鬱血すると痔になります。

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